●2010年5月


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COCOLOでシャララ 5月31日


 因果な性分で、締め切りが迫っているときに限ってデクスの掃除やPCのファイル整理にとりかかってしまいます。
 年度末でバタバタしているときに、押し入れに放り込んでいたミニコンポを引っぱり出して、現役復帰させました。チューナーの感度がよいので、FM放送がクリアに聞けるようになって、ちょっと得した気分です。

 そんなとき、FM COCOLOから、「4月3日開局!」というナレーションが……。
 関西エリアに住む外国人のための情報ステーションとして開局したのが1995年10月。
 経営が苦しくなってきたので、ここでFM802の力を借りて新装大開店というのが経緯のようです。

 新局のコンセプトを聞いてうれしくなりました。

「2. 40歳代半ば以上をコアリスナーとした本格的な大人のFMステーション
40歳代半ばから団塊世代をターゲットとしたFMステーションはこれまで国内で前例がありません。こだわりのある、感性豊かで、音楽好きな大人のためのFMステーションを目指します。」(プレスリリースより引用)

 チューニングしたとたん流れてきた曲は、JULIE with THE WILD ONES の「渚でシャララ」。
 こりゃ本気だ、と思いましたね。期待度はぐんぐんUP。
 もうFM802もFM大阪もNHK FMもKiss-FM KOBEもα-STATIONもいらないや。

 FM COCOLOにステイチューンだなと心に決めかけたとき、けったいな番宣がこれでもかというくらい流れはじめました。
「40歳代半ばから団塊世代」を思いっきり狙ったミニドラマなんですが、思いっきり外してしまっていて、コントにすらなっていないという代物。
 おじさんおばさんなら共感してくれるよね、という書き手(たぶん30代)の浅慮が露骨に感じられる内容なので、この自局CMが流れるたびに、まめにミュートしていました。

 そんな一方通行の攻防戦が続くなか、ジーン長尾やカマサミ・コングの起用などという慶事もあり、落胆するまでには至りませんでしたが、かかる曲が古い。
 しかも、半端に古い!

 1960年代から1990年代の曲が繰り返しかかるのですが、やはりボリュームゾーンは80年代から90年代。
 まあ、時代の偏りよりも気になるのは楽曲の偏り。ヒット曲ばかりかかるのですよ。なんだかTV通販なんかで売ってるCD-BOXみたいな選曲なんですね。総花的というか広く浅くというか……。

 懐かしがりたい人にはたまらないかもしれませんが、「こだわりのある、感性豊かで、音楽好きな大人」をなめちゃいけない。
 先日、ジェフ・ベックの来日公演がおこなわれましたが、聴衆は懐メロを聴きに行ったのではなく、現在のジェフ・ベックの音楽を求め、堪能したはずです。

 40代以上の人が若い頃に聴いていたであろう曲をかけるのは、誰にだってできます。歴代のヒット曲のデータさえあれば、高校生にだって選曲可能でしょう。
「大人のためのFMステーション」をめざすなら、まずは大人を納得させるだけのセンスがなくちゃ。

「大人」というくくりそのものが曖昧模糊としたものだから、ツボを押さえるのは至難の業。
 もし、このFM COCOLOが成功すれば、最近目につく、懐かしさだけをウリにする商売も影をひそめるにちがいありません。

 そういった意味で、もうすこし、生暖かく見守ってゆこうかと思っている今日この頃です。
 関西限定ネタで、すみませんでした。




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