●2009年2月


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円盤無間地獄 2月28日


 サントラ聴いてると、手っ取り早く映画の雰囲気にひたれるし、頭の中に映像が浮かんでくるから音楽だけお得感があっていいや。
 なんてことを言うと映画ファンと音楽ファンの両方を敵に回すことになりそうですが、この楽しさを再発見したのは、つい最近のこと。

 ビデオが発明される以前にものごころがついてしまったため、映画は映画館かテレビの洋画番組で見るほか手がないのがつらかった。
 せめて映画を追体験しようとサントラ盤を買い込むものの、映画そのものを何度も見たわけではないから、どの場面を彩ったスコアかわからず、テーマ曲だけを聴いて満足してました。

 やがて、VHSとかLDの普及により、追体験でなく再現できるようになるとそれまでのフラストレーションが物欲に昇華。
 サントラ盤なんてもう過去のものだとばかりに、LDを買いまくり、DVDに乗り換えては、また買いまくって20年。
 若いころならハイペースで鑑賞できたのですが、この歳になるともういけない。
 週末に新作映画1、2本見られればいいほうです。そんなありさまなのに、発作的に旧作を見たくなったりするから収拾がつきません。

 そこで思いついたのが、サントラ盤。
 名作には名曲がセットになっているもので、イントロを耳にするだけで、作品のシーンと味わいが鮮やかによみがえります。
 ゴブリンのリフを聴けば、ゾンビを撃ちまくるSWAT御一行さまの雄姿がまぶたに浮かんでくるように。
 帝国軍マーチを聴けば、3エピソード全般がフラッシュバックするように。
 追体験ではなく、簡易再現ですな。これは楽しい。

 というわけで、中古CD屋やAmazonなどでサントラ盤を買うようになりました。
 本篇ではサビの数小節しか使われていない曲が実は5分近くあり、しかも佳作だったりするとうれしいものです。
 この名曲を全曲使わんとはいったいどんな料簡だ、この美しいフレーズにセリフやSEをかぶせちゃダメだろう、などと逆に本篇に不満を募らせるから倒錯もはなはだしい。
 フィルムメーカーにとっては身勝手な客でありましょうが、ファンとはそんなものだからしかたない。

 最近のマイブームは、サントラ盤の音楽データをハードディスクにコピーすること。
 PC用の小型スピーカーでの再生ですから、それなりの音しかしませんが、簡易再生と割り切れば、それもまたよし。仕事もぐんとはかどることでしょう。

 しかしね、いったいどこまでいくのだろうか、という疑問も一方にはあるわけです。
 やがて、外でも聴けるようにシリコンオーディオを買い込んだりしてせっせとコピーしたりするのだろうなあ、と。

 いやそのまえに、DVDラックを侵蝕しはじめたサントラCDを何とかするのが優先課題。
 薄っぺらなディスクだからといって油断できません。
 数が増えてくると、どうしても目立つ。家人の鋭い目から逃れられなくなる。これは由々しき問題です。
 DVDのマルチ音声にサントラだけを収録してくれれば、すべてが解決するのでしょうけど……と考えている間にも、BDの新たなリリース情報が聞こえてきます。
 わたしの円盤無間地獄は、まだ始まったばかりのようです。




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