●2006年2月


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SAWADA 2月28日


 あ、デジカメの話の続きです。
 いちおうメーカーに修理見積を出してもらったのですが、これがまた微妙な金額。現行の最新機種の半額程度なのでまあまあ納得はいくのですが、問題は、次の故障はいつ頃になるかということ。いやいや、日本の製品がそうそう故障するわけもないと自分を説得しかけた矢先に、衝撃のプレスリリースを入手!

「カメラ事業、フォト事業の終了と今後の計画について」

 3月いっぱいでカメラ事業から手を引くというではありませんか。一世を風靡した一眼レフの逸品を作り出したメーカーが、こんなにもあっさりと……。
 すぐに家電量販店では撤退セールなるものが始まるでしょう。メーカーそのものに特別な思い入れもないものだから、ここは潔く買い替え、というのが正解でしょうな。

 その日からカタログ再読! 一週間後、めでたくカメラ購入とあいなりました。
 ほとんどオートの一号機にくらべ、マニュアルの充実はうれしいかぎりです。こうなったら、現像・プリント代に恐れをなして中断していた写真の勉強を再開しなくちゃなりませんよ、ええ。

 と意気込んで、プログラムAEでぱちり、絞り優先AEでぱちり、シャッタースピード優先AEでぱちり、とやってたんですが、仕事場で撮っていても、これがぜんっぜんおもしろくない。写真の力というものがまるでない、単なる記録です。

 そんな日々にくさりかけていたとき、若手の取材に同行する機会に恵まれました。撮影立会いも兼ねていたので、ここぞとばかりにフォトグラファーの技を盗もうとあれこれ訊ねる私に、プロのひとこと。「テクニックや機材よりも、そこでしか撮れないものを撮るということが大切なんとちゃいますか」

 なるほど! そのとき私は、報道カメラマン、沢田教一さんの「決定的瞬間を撮るためには、決定的瞬間を撮りうる場所にいなければならない」ということばを思い出しました。もちろん、私なんかとは志もレベルも覚悟もまったく異なる次元の方のことばを引き合いに出すなんておこがましいにもほどがあるのですが、写真の本質はこれにつきると思うんです。

 公園のネコ、おもしろ看板、異様な建築物などのギャラリーをネットで見かけますが、いい写真というものは、撮影者の視点が感じられるものに多いようです。被写体との心の距離感とでもいいますかね。冷静に観察しているわけではなく、かといって馴れ合いでもない。その場に居合わせたことの興奮が伝わってくる写真が印象に残ります。
 そんな写真は、記録の域を超えて創作物に近づいているのかもしれません。では、そんな写真を撮るためには何をすべきか? そういうことはプロに訊け!

「数撮ることですわ。同時にテクニックを磨く。そして、やっぱり一眼レフは持たなあかんでしょ」

 さっきとは言ってることが違うじゃないか。まあいい、まずは数撮ることから始めましょう。下手な鉄砲も、デジカメだからばしばし撃てるわけですしね。当たるかどうかはわかりませんが……。

 早く暖かくならないかな。デジカメ片手の散歩が楽しみです。




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