●2006年1月


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デジカメ買っちゃおう! 1月26日


 いやあ、ついにカメラが壊れてしまいました。
 初めて買ったデジカメで、取材にプライベートにと活躍してくれたんですが、露出補正をいくらいじってもオールアンダー。おまけに画像のエッジが甘いときては、もうCCDか映像エンジンの寿命でしょう。残念ですが、買換しかないでしょう!

 家人の前では、「まいったなあ」なんてうなったりしてますが、実はわくわく。1号機は、デジカメっていうだけで衝動買いしたものですから、使っていくうちに不満が募っていたんです。光学ズームがない。プログラムAEだから画が作れない。AF補助光がないから薄暗いところではピントが合わない……などなど。
 お世話になったカメラですから悪口は言いたくはないんですが、スペック的にも引退はあきらか。ここは後進に道を譲りましょうよってことで、カメラ屋や電器屋で現物を見、カタログを集め、メーカーのサイトでサンプル画像を拝見しました。

 カオス。

 この数週間の頭の中はは、まさにこれ。最初は、「光学ファインダー必須」「撮影モードはマニュアル必須」「乾電池使用可」と大枠を決めていたのですが、たいした根拠があったわけではないので、揺れること揺れること。画素数に押され、液晶ファインダーに引っ張られ、デザインにどつかれ、ブランドにくすぐられ、広角側焦点距離に蹴りを入れられ、とさんざんでした。

 どうにか候補を絞って店頭に赴いたのですが、実物が意外にちゃちだったりして元の木阿弥。若い頃なら、ええい、買っちまいな! となるところですが、この齢になると物欲をかわす技を身につけていますから、無事、お店をあとにすることができました。亀の甲より年の功ですな。

 居間の板張に正坐し、デジカメを買って何を撮りたいのか、ということを考えながらカタログを一つずつあらためました。見るページは決まってます。「製品仕様」のみ。その姿は、眼光紙背に徹す、を体現していたにちがいありますまい。
 そして、長きにわたった機種選定ひとり会議も終わり、栄えある後継機が決定しました。その機種とは――!

 発表をさえぎったのは、家人のことば。
「どれ買おうかって悩んでるときがいちばん楽しいよね」
 そうそうそう。わかってるじゃないの。しかしね、楽しさの絶頂は、店員に「これください」って言うときなのだよ。喉元までこみ上げてきた哄笑を、ふたたび家人のことばが押し戻しました。
「古いのは修理して使えないの?」

 がーん。物欲という敵にばかり気を取られ、家人という強敵の存在を軽んじていた己の迂闊さを呪いました。1号機が木っ端微塵になったのならまだしも、外見は新品そのもの。フラッシュだってちゃんと発光しますよ。まぶしいくらいにね。
 寿命だと言ったところで、それは思い込みにすぎません。この数週間の煩悶はいったいなんだったのでしょうか。根拠の裏打ちのない情熱ほど、虚しく滑稽なものはありませんな。

 とりあえず、修理の見積をお願いすることにしました。新品を買ったほうがましだと思えるほどの金額が上がってくることを願いつつ。




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